この写真を見ただけで、「グランドピアノのペダルだ!」とわかった方は、普段からよくピアノを見ている方だと思います。右側から「ダンパーペダル」「ソステヌートペダル」「シフトペダル(ソフトペダル)」と呼ばれます。
左のシフトペダルは、その名のとおり、ペダルを踏むと鍵盤全体が右にシフト(移動)します。難しい言い方では、アクションがずれて、3本の弦を打っていたハンマーが2本の弦を打ちます。そうなることで、音色が変わり、こもったような、小さな音になります。
「左のペダルと右のペダルを同時に踏むことはありますか?」と質問されることがありますが、答えは「イエス」です。左右のペダルはそれぞれの役目が違いますので、小さく、音を延ばしたいときは、同時に踏みます。
ところで、ハンマーは、打弦されるところがへこみ、よくピアノを練習する方やタッチが強い方、長い間調律しないで弾いている方は、ハンマーにつく弦の跡がくっきりとつき、ハンマーが固くなってきます。シフトペダルを踏む方は、通常のハンマー位置の跡以外にも、シフトペダルの打弦位置にも跡がついてきます。
新しいピアノでは、シフトペダルの音色は柔らかな音がしますが、使っているうちに、「あれ?シフトペダルの音色が変わってしまった・・・。」と思うことがあります。そのときは調律師さんにご相談されてみてはと思います(おそらく、調律師さんのほうが先に気付かれると思いますが)。
たまに「ウチのピアノのシフトペダルが重すぎて、曲の途中で踏むのが大変なんです。」「ギーギー音がするんです。」と生徒さんがおっしゃるのですが、それも調律師さんにみていただくほうがよいと思います。(踏んでいるうちに直るのではないかと、何回も踏んでいるそうです。)
ピアノはペダルもとても大切です。調律は単なる音の調整ではなく、ピアノの健康診断だと思いますので、定期的にされることをおすすめします(私は調律師ではないので、セールスではなく、ピアノ講師としての本音です)。