ピアノがもっと上手に弾けるようになりたい!というのは、ピアノを練習する人は誰もが思うこと。私もその一人です。ピアノが楽譜選びによって上達するかもしれない、となれば、試してみたい!と思うのです。
ショパン(1810-1849)の作品は多くの校訂者によって様々な楽譜が出版されています。エキエル版、パデレフスキ版、コルトー版、ウィーン原典版などが特に有名です。日本の場合、全音の楽譜を使っている方も多いと思います。今日のお話はコルトー版です。
コルトー版とは、ピアニストであり、教育者であるアルフレッド・コルトーが校訂したものです。ディヌ・リパッティやクララ・ハスキルはコルトーの弟子、サンソン・フランソワはコルトーが見いだしました。
コルトー版については賛否両論ありますが、なんといっても、コルトー版を使うことで、ピアノが上達した人が多いことは特筆すべき点です。
画像の楽譜はコルトー版のショパン「幻想即興曲」です。サラベール社の楽譜なのでフランス語ですが、日本語ライセンス版「アンプロンプチュ」も出ています。
コルトー版の特徴は、楽譜に練習方法やコルトーによる指使いが細かく記載されていること。画像のように、楽譜よりも練習方法のほうが大きく占めています。そのため、「譜めくりが大変!」という声も…(笑)。
ここで、コルトーの名言のひとつをご紹介します。
「難しいところは、そのまま練習するのではなく、本質的な難しさを探りながら練習すること。」
だらだらと長時間、練習するのではなく、弾けない箇所を効率的に練習すること、とおっしゃっているのです。
コルトー版は、練習方法や指使いで困っている方、独学の方にも、参考になる楽譜としておすすめです。ただし、ショパンについては、楽譜によって、音が違うものが多いため、コンクールや入試では、「指定されたエディション(版)」を購入したうえで、練習してくださいね!