ピアノの鍵盤の重さは何グラム?

ピアノの鍵盤は何グラム?

ある動画で、調律師さんがピアノの鍵盤の重さを計っているものがありました。専用の「分銅」を乗せて、どの重さでゆっくり鍵盤が降りるのかをみるもので、その動画では53gでした。(ダンパーペダルを踏み込みながら計るのがポイントだそうです)

 

ある本を読んだとき、「通常鍵盤の沈む重さは48gに設定してある。ところが、ホロヴィッツは44gを好み、ルービンシュタインは60gという重い鍵盤を好んだ。」と書いていました。

 

スタインウェイのフルコンをホールで弾いたとき、低音域では鍵盤が重く、高音域は軽く感じましたが、ピアノの調律は、一般家庭とコンサートホールでは違うようです。

 

私のような調律師ではない者は、分銅など持っていないため、一般人は、10円玉(4.5g)や100円玉(4.8g)を重ねて計るとよい、と書いているものがありました。でも、鍵盤の重さを計ったところで、ピアノというのは不思議なもので、単純に鍵盤の重さで弾きやすい、弾きにくいが決まるものではないようです。なぜなら、ピアノが鳴る仕組みは、鍵盤が降りるだけでは鳴らず、ハンマーが弦を叩く動作や鍵盤が上がる動作が加わるからです。

 

私を含め、ピアノを弾く側は、ピアノが反応よく鳴ると、鍵盤が軽く感じるので、鍵盤が軽いか重いかは、実際の鍵盤の重さとは異なるようで、そのあたりが、調律師さんの腕前のようです。おそらく、それは数学も関係するのだと思いますが、熟練の技を感じます。大切なピアノは、信頼できる調律師さんに調律していただくことが大切だと思います。